契山館 千葉分会ブログ

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空海

【投稿者:チビクロ】

真言宗の開祖で、別名・弘法大師空海

名僧で書の達人であったことでも有名です。

ただ、彼が最も興味を持ち、力を注ぎ、尚且つ得意とされた
「呪術」については、あまり伝えられていません。

実は空海は、遣唐使で唐に留学する前、山岳仏教に入り込み、
唐に渡ってからは、密教を学ぶと共に、その呪術の能力を極めたとされています。

映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』は、
留学のため唐に渡った若き日の空海が、詩人・白楽天とともに
唐の都、長安を揺るがす巨大な謎に迫る姿を描いた歴史スペクタクル大作です。

夢枕獏の小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』を
チェン・カイコ―監督が映画化したもので、
特殊映像技術を駆使した幻想的な呪術の世界が繰り広げられているのが特徴です。

私自身この映画を見て初めて空海が当時東洋一の呪術師であったことを知りました。

この映画の英語のタイトルは "Legend of the Demon Cat"
といいます。直訳すると「悪魔ネコの伝説」となるでしょうか。

この映画に出てくるのは玄宗楊貴妃の飼い猫で、実はこの猫が主人公なのです。

玄宗皇帝と楊貴妃の熱愛関係は教科書にも載っているくらい有名ですが、
玄宗楊貴妃に溺れ、長恨歌
「これより皇帝は朝早くには朝廷に出てこないようになった」
と歌われるくらい、政務への弛緩が目立つようになりました。

その後、政治の実権を掌握したのは、
楊貴妃の親族楊国忠と塞外の胡出身の安禄山ですが、
両者は権力の掌握に直結する玄宗夫妻の寵愛をめぐって激しく争いました。

755年に楊国忠安禄山玄宗に讒言したことが契機となり、
自身の立場に危機感を覚えた安禄山は、ついに叛乱を起こしました。

これを安史の乱といいます。

安禄山の軍隊はたちまち長安に迫り、
軍事力では長安を守れないと判断した玄宗は、
蜀(四川省)をめざして逃亡を余儀なくされました。

亡命の途上、随従の兵士たちは自分たちをこんな境遇に追いこんだ
怒りと恨みを安禄山の政敵である楊氏一族に向けました。

楊国忠は兵士たちの手で殺害され、さらに玄宗は兵士たちの要求で
楊貴妃に死を賜うほか選択肢はありませんでした。

玄宗は幻術使いの黄鶴の進言で楊貴妃を仮死状態にし、自らは生き延びるという選択をすることになります。

楊貴妃のことを深く愛していた、黄鶴の弟子の白竜という人物は、
その仮死状態が2日しかもたないことを知らずに
楊貴妃の蘇生を信じて楊貴妃の抜け殻を見守り続けますが、
その後、楊貴妃に毒虫が沸き始めます。

白竜は毒虫を自分の体に移した事で力尽き、皇帝の猫に自らの魂を移したのでした。

猫に魂を移した白竜は、
理由がなんであれ、最愛の楊貴妃を殺すことに加担した者を
復讐のために呪うことを決意するのです。

そしてその後、玄宗を含め楊貴妃の周辺の人物たちが
次々と不審な死をとげていきます。

その背後には、常にその猫がいたのです。

空海により、正体が白竜だと見破られた妖猫は真相を語りはじめます。

愛が深いがゆえに自ら悪魔と化す猫。

空海は、深いところで何かを感じとり、帰国を決意することになります。

もしかすると空海は、「人間」を前にして、
密教や呪術の限界を感じ取ったのかもしれません。

映画の中では、その詳細な心理描写はなされていませんが
最後の方で空海が白楽天に言った「もう帰国するよ」という一言の中に、
何かをつかんでふっきれた感が伝わってきた気がします。


映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』を見た後で、
よりこの時の空海の心情を深く味わうために
この本を読まれることをお勧めします。

『霊的能力の謎』 - 霊能力者、霊媒の真実 (MyISBN - デザインエッグ社)

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