契山館 千葉分会ブログ

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アンナ・カレーニナ

【投稿者:チビクロ】

トルストイはロシアの小説家、思想家で、
ドストエフスキーイワン・ツルゲーネフと並び、ロシアを代表する文豪です。

私が好きな、トルストイの代表作のひとつに
アンナ・カレーニナ』という小説があります。

以下、あらすじになります。

 

モスクワ駅へ母を迎えに行った青年ヴロンスキーは、
母と同じ車室に乗り合わせていたアンナ・カレーニナの美貌に心を奪われます。

アンナも又、俗物官僚の典型である、愛情も人間性も理解せず、
世間体を重んじる冷徹な夫カレーニンとの愛のない日々の倦怠から、
ヴロンスキーの若々しい情熱に強く惹かれ、二人は激しい恋におちていきます。
そして虚偽と欺瞞にこりかたまった社交界も、家庭も、
愛しいひとり息子も捨て、
ヴロンスキーとの破滅的な恋に身を投じるのです。


ヴロンスキーと駆け落ちをし、
二人だけの生活が紡がれるようになると
二人の間に、だんだんと不幸の影が忍び寄ってきます。

愛しているのに、
男は女の愛をうっとうしく感じ、そんな男の変化に気づく女性。

女は余計に男を縛り、縛られる男はますます女を遠ざけます。

ヴロンスキーはこの駆け落ちによって、なにもかも失っていました。

社会的地位や名声を失い、社交界からも遠ざっていました。

アンナを愛してはいたものの、アンナとのいざこざがあると
やはり失ったものを思わずにはいられません。

アンナもヴロンスキーには言えない、一人息子への愛情がありました。

ヴロンスキーとの間に、かわいい娘がうまれたものの、全くその娘を愛せないアンナ。

アンナはずっと一人息子を愛していたのです。

そんな男女はいつしかすれ違い、嫉妬し、苦しみに狂っていくのです。

そして自分への愛がなくなったヴロンスキーに、
死んで後悔させてやる!とばかりに鉄道に飛び込むのです。


自分の命をかけて、ヴロンスキーの心を自分にひきとめようとするアンナ。

ヴロンスキーはアンナの思惑どおり、
喪失感と敗北感からなにもかもが闇の中にあるようで、
自分への生にすら関心がなくなり、自ら戦地へ赴くこととなるのです。
「人間としては廃墟だ」という言葉を残しつつ・・・


この小説を読んでいると、
幽質界で幸福による倦怠感から、激しい情熱をもって物質界に降りてきた
人間の姿を見ているような気がします。

まわりの強い反対を押し切って、
最初の人間(※)は幽質界から物質界に降りてきました。

(※)創世記のアダムとエバのような存在で
水波霊魂学では「二本足の霊魂」と総称されています。

はじめは喜び勇んで物質界に降りてきた人類ですが、
結局求める喜びを得ることができず、

捨てた一人息子への愛を募らせるアンナのように
捨てた故郷である幽質界への哀愁を募らせるも、

その思いが伝わることはなく
人類は地上での悲劇を繰り返す存在になっていったのです。

トルストイは、代表作『アンナ・カレーニナ』を書き終える頃から
人生の無意味さに苦しみ、自殺を考えるようになりますが、
次第に宗教や民衆の素朴な生き方にひかれ、
原始キリスト教的な信仰をもつにいたります。

アンナ・カレーニナ』をより深く理解する上で、
『二本足の霊魂』は必読の書といえます。

 

『二本足の霊魂』: 人間と霊魂の歴史

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