契山館 千葉分会ブログ

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病気を告白する先輩社員

【投稿者:ヒカル】

「朝礼に入る前にAさんからお話があります。」

幹部がそう言った。続けて先輩が話をする。

「私事ですが、皆さんにお伝えすることがありまして・・・
 話が終わったらすぐに病院に行かせていただきます。
 一部の人にはお伝えしてますが、先週金曜に検査の結果が出て、
 咽頭ガンと診断されました。おとといの土曜に違う病院で
 さらに詳しい検査をいたしましたが、進行性のガンで、
 年内に手術が必要と言われました。ステージは今のところ分かりません。
 これから病院に行って、もっと詳しく検査を受けてきます。

 私が思っていたよりずっと悪く、大分仕事に差し支えてしまいます。
 皆さんには多大なご迷惑をおかけすることになります。
 大変申し訳ございません。年内の取材の予定は全てキャンセルします。
 講演や、大学での講義の予定も取りやめる方向で考えています。
 新しい企画も今はできそうにありません。手術をして声帯を取ることになるので、
 声を出すことができなくなると言われてます。
 自分の抱えている仕事は、他の誰かにお願いしたいと思っています。
 声が出なくても、書くことはできるので、誰かに取材に行ってもらい、
 それを書いてまとめることは可能だと思います。
 ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
 それでは時間がないので、この辺で病院に向かわせていただきます。」

先輩は、かすれた声を振り絞り、朝礼の冒頭にみんなに話をした。

今この話をはじめて聞いた社員は、とてもびっくりしたことだろうし、
金曜に先輩から直接話を聞いた私だって、この二日間で、
さらに話が悪い方向へと進んでいることにびっくりさせれられた。

声が出なくなることを前提にして、今後の事を話しているのである。

「いろんな治療法もありますし、ほかの専門家の意見も
 聞いてみたらいかがでしょうか?たとえ声が出なくても、技術の発達で、
 代替する器具もあるし、お腹から声を出すような方法もあるようです。
 声が出なくても、書く仕事はいくらだってありますから大丈夫ですよ。」

幹部は先輩にそのように言った。

「ありがとうございます。それでは病院に行ってきます。」

そう言って先輩は、足早に朝礼の場を後にした。

この会社が大きな転換期を迎えている。

先輩は会社の看板になる存在だ。

大学では教壇に立ち、学生に教えていたし、講演会では先生方に
上から物を言うこともできる。

知識は恐ろしく豊富で、会話も上手く、何かあってもアドリブがきく。

その上、文書の作成は、異常なほど速い。

(先輩の存在で、月刊誌が成り立っているのである。)

会社の内外問わず、非常に頼られる天才肌の先輩だ。

先輩の代わりをできる人間は、この会社にはいない。

先輩の容態も大変心配だし、会社の今後も懸念される。

 

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先輩の霊的な状態はどうであろうか?

私が先輩について、長きにわたり気にかかっていたのは、
むしろ霊的な状態の方であった。

「間気、幽気の状態がとてもよくないのでは?」
「幽体の不調が大きいのでは?」
「不道徳な霊魂の影響はどうであろうか?」

ずっとこのような思いを私の中で持ち続けていたのである。

また、ガンの発症を聞いて、霊的な状態の悪さが、
とうとう先輩の肉体に見える形で現れてしまったのではないだろうか?

そんな風に私には思えて仕方がない。

どのタイミングで先輩に伝えようか?しかし誤解を与えることはできない。

大きな不安を与えかねない。

けれども、霊術や祓いの霊的技法が、絶対に先輩に必要ではないだろうか?

そんな葛藤が私の中では日に日に大きくなっていくのである。